叢生(乱ぐい歯、八重歯)とは?
歯が重なってデコボコに生えた状態を言います。
一般的には「乱ぐい歯」と呼ばれ、日本人に最も多い歯列不正と言われています。上顎の犬歯が外側に飛び出している”八重歯”も叢生の一種です。
乱ぐい歯、八重歯の原因
乱ぐい歯、八重歯の主な原因はスペースの不足です。以下に挙げる3つの異常によって、永久歯を並べるためのスペースが不足し、ガタガタの歯並びになります。
顎の骨が小さい
永久歯は、親知らずを除くと合計28本生えてきます。先天的または後天的な理由で顎の骨の発育が抑えられると、28本の永久歯を並べるためのスペースが不足し、歯列弓から逸脱する歯が出てきます。
歯のサイズ・数の異常
顎の骨の発育が正常でも、歯のサイズが標準よりも大きかったり、歯の数が多かったりするとスペースの不足が生じます。
歯の生え変わりの異常
乳歯から永久歯への交換が正常に進まないことでもスペース不足を招くことがあります。例えば、乳歯が虫歯になって早期に脱落すると、次に生えてくる永久歯のスペースが塞がってしまいます。顎の骨の発育が正常でも、歯のサイズが標準よりも大きかったり、歯の数が多かったりするとスペースの不足が生じます。
乱ぐい歯、八重歯の矯正治療開始時期
お子さまの歯や年齢に応じた治療を実施します。
ねじれた歯や重なった歯を治療し、矯正装置を使って永久歯が生える空間を作ります。
永久歯が全て生えてから歯並びのさらなる改善が必要な場合は成人矯正(2期治療)を実施します。
乱ぐい歯、八重歯の矯正治療
マウスピースとMFT(口腔筋機能療法)を併用しながら、取り外し可能な拡大床を就寝時に付けていただき、永久歯が生える空間を確保します。これにより歯が適切な場所に生え変わるよう促せるため、歯の重なりやねじれを徐々に解消できます。
顎の横幅を1か月に0.5mm程度拡張し、1~1.5年ほどかけて下の前歯1本分(6~7mm程度)の空間を作ります。それ以上に拡げる必要がある場合は新しい装置を作成し、同じく顎を拡張します。治療は痛みを伴うことはなく、違和感を感じる程度です。また、装置は取り外しできるため、歯磨きにも支障がありません。
ただし、お子さまによっては装置に強い違和感を感じてしまう場合もあります。好きな色の装置を使っていただき、装着忘れが起こらないようチェックシートで管理するなど、お子さまが負担なく矯正治療を続けられるようサポートを行う必要があります。
また、装置の違和感によって就寝中に無意識のうちに外してしまう場合があります。その際は、帰宅後すぐに装置を付けて装着時間を長くすることで、違和感に順応してもらうことが大切です。